【開催報告】オンラインで話してみよう ~わたしが“聞いた”戦争体験~(2020年11月21日開催)


2020年11月21日、history for peaceとしては初めてのオンラインイベントを行いました。

参加者は10代から50代までの10名。非戦争体験者による戦争体験のトーク会という新しい試みです。

〈企画の背景〉

終戦から75年が経ち、実際に戦争を体験した方から直接お話しを聞く機会は年々失われ、今後の継承活動のあり方を真剣に検討する時期がきています。

語り部の育成を行っている団体や、実体験をデジタルアーカイブ化している団体、様々な取り組みを行う団体がある中、history for peaceでは、記録に残る戦史を機械的に伝えるだけでなく、戦争を経験していない世代が、直接体験者から“聞いた”話を語り直すということに意義があるのではないかと考えています。

そこで、私たちは非戦争体験者による太平洋戦争の継承方法を模索するために、親族から聞いた、または、調べた戦争体験を語り、話し合う会を設けることにしました。


〈企画概要〉

・日時:2020年11月21日(土)19:00~21:00
・場所:オンライン(Zoom)
・対象:親族の戦争体験を誰かと共有したい、聞いてみたい人(戦争の直接体験は含まない)
・主催:history for peace

〈プログラム〉


◆ブレイクアウトセッション(1)40分

自己紹介 5分
お話①・・・話10分、感想7分
お話②・・・話10分、感想7分

2グループに分かれ、スピーカーが同じグループのメンバーに約10分で戦争体験を共有(スピーカーは各2名)

それぞれのグループで、中国系タイ人のご主人のお祖母様から聞いた戦争体験、呉空襲を生き延びたお母様から聞いた戦争体験、自分で調べた親族(祖父など)の戦争体験を聞いた後、質疑応答の時間を設け、理解を深めました。



◆休憩 10分

◆ブレイクアウトセッション(2)40分

グループを再編成し、(1)と同じ手順でセッションを行いました。

◆全体での感想共有・意見交換 20分

戦争体験者ではないスピーカーから聞く戦争体験についてどう思ったか、直接体験を聞いた場合と今回のような間接体験を聞いた場合の比較、今後の継承活動のあり方などを話し合いました。

  • 体験者のお話しは当時の感情などが前面に出るが、当事者以外の話は冷静かつ多角的な視点で語られるのでまとまりがあり、わかりやすくなっていてよかった。
  • 又聞きになると当事者ではない第三者のフィルターがかかるので、正確性が問われるのではないか。
  • 非体験者が戦争体験を語るには、冷静に事実関係を分析し、深く勉強することになるので、継承方法としては良いと思う。
といった意見が出ました。


今回のイベントは、非戦争体験者による継承活動の手法を模索し、確立していくきっかけになったと感じているので、今後も不定期に開催していきたいと考えています。

ご参加いただいた皆さん、貴重なお話し、ご意見、本当にありがとうございました。


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